— Still thinking. . .

英語学術書出版への道のり(2)リジェクトからの立ち直り

経過報告: 今年2012年1月にプロポーザルとサンプルチャプタ二つを提出してありました。5ヶ月待ったあげく、経済史のアカデミックエディタによってリジェクトされてしまいました。理由はNew Institutional Economicsとの取っ組み合いを意識し過ぎてプロポーザルを大仰に書いてしまい、そこの論証が足りないと見なされたこと、それと因果関係の「説明」/explanationを期待するエディタと文化史的アプローチから起業家達の社会的責任と信頼・不信の問題を考えたかった僕との相性が悪かったことでしょうか。 例えばこんな感じです。

This is predominantly a work of cultural history which focuses primarily on the attitudes, rhetoric and discourses concerning entrepreneurial projects in early modern England rather than on those projects as economic activities. This especially comes to the fore in the sample chapters, which are full of detailed stories and references to cultural discourses, but lacking in analysis of what all this meant for the early modern economy.

しかし先月同プレスで別シリーズのアカデミックエディタにプロポーザルを送った所、大変よい返事を頂いたので、原稿を全て書き終えた段階で提出することにしました。コントラクトが頂けるかどうかについては、その段階になって判断ということになります。「おあずけ」の要素もあるけれど、ともあれ次のフェーズに進んだと言えます。

 

感想: リジェクトされて、しかも「うちじゃなくあちらさんに送ってみて下さい」的なことを言われてしまったのでかなりへこみました。ハンチントン図書館に行っている間もどうしたものかとずっと頭の隅っこで考えていた感じです。そしてプロポーザルを大々的に書き直すべきかどうか、研究もエビデンスのベースをかなり増強するべきかと迷いました。指導教官はもちろん、大先輩で尊敬している方々にアドバイスを求めるようにしました。5−6人には話を聞いてもらったと思います。結果、今回のリジェクトは究極的には相性の問題だから気にするな、ただ本質的でない箇所で批判を誘わないように工夫をした方がよいだろうとのアドバイスを複数頂きました。このリジェクトで単著の準備を大幅に遅らせてはいけない、というのが皆の一致した助言だった様に思います。結局自分の研究の良さを分かって貰えていないようなコメントを貰ってのリジェクトだったので、あまり影響を受けすぎない方が良いなと思うことにしました。むしろ自分の研究手法にあまり興味の無い人がどんな風に反応しそうかリアルに分かって、こんな風な書評を貰わないようにしなくちゃと勉強になりました。 しかし具体的なステップに関しては、前回と同じく多様なアドバイスを頂きました。

  1. 少し格下のプレスに打診してはどうか。
  2. 同格で別プレスはどうか。
  3. (リジェクトのことはすっかり忘れて)同じプレスの別シリーズはどうか。

一つのプレスにプロポーザルとサンプルの章を提出ということも考えたのですが、一カ所ずつ提出していってその都度何ヶ月も待ち、結果的に「たらい回し」の様な状態で時間を浪費してしまうおそれもありました。それは避けたかったので、複数箇所に同時に打診した方が良いなと感じるようになりました。そしてプロポーザルならば同時に複数箇所に提出してみても良い、ということだったので、1、3の同時進行で二つのプレスの社会文化史系シリーズにプロポーザルを送りました。その送り先を選ぶ際に特に考えたことは、プロダクションの過程でどのようなフィードバックを貰えそうかということでした。

  1. コメントを貰いたい思うような人がアカデミックエディターをやっているか。
  2. 彼らの研究を尊敬出来るか。
  3. そのエディター達が匿名のリビュワーを斡旋するものとしたら、どのような人がリビュワーをやってくれそうか。

以上の三点を踏まえたような気がします。また、以前応募したポストの選考員がアカデミックエディターをやっているシリーズがあったので、その人にまずはプロポーザルをメール送信しました。その際経済史の方からの批判を踏まえて半日くらいで集中して誤解を与えないようディテールを変更しました。結果、その方がすぐにプレスエディターの方に転送して下さって、2週間もしないうちに、興味があるから全部原稿が出来たら送って来て下さいとのお返事を頂きました。これから年末までは短い原稿を準備しながら単著の原稿準備中心にやって行きます。

  • やっぱりアドバイスを聞くのは精神衛生上大切だった。
  • 的外れな指摘を受けることもあるから、それは真に受けすぎない。ただし、不用意な批判を受けないような工夫は必要のようだ。
  • 繰り返しYou can’t make everyone happyと異口同音に言われた。
  • アドバイスを求めることで今後もその人達と自分の進捗状況をシェア出来るし、それが自分のコミュニティを作るきっかけになる気がした。
  • けどどこのプレスにリトライするかについてはアドバイスが割れて、そこは自分で優先順位をつける必要もあった。
  • 何らかの接点がある人にアプローチしたのも悪く無かったのかな。