— Still thinking. . .

論文の幅の広げ方(試論)

論文の幅の広げ方ですが、原稿を読んでいて気がついたのだけど、The Craft of Researchが言うところの、warrantを意識すると良さそうです。

「急がば回れというじゃないか、ゆっくりやろうぜ」

自分の主張「ゆっくりやろうぜ」の正しさを裏付けする為の共有されたより一般的命題「急がば回れ」が、Booth, Colomb, Williamsがいうところの”warrant”です。(See ch. 7 warrant) つまり、自分が論文でしたいXという大きな主張をするための「Aである+Bである+Cである=すなわちXである」という議論の骨子があるとします。ここで例えばA+B+Cにとってのwarrantを、日本語のことわざからではなく、先行研究や少しターゲット読者層にとって妥当、もしくは新鮮なところから引っ張ってくることで、論文の幅が広がることになります。

近年の直近の研究ではaと言われているじゃないか、だから私はAという分析をしよう。

必ずしも通常は関連づけられてないけれど、思想史の分野ではbという分析手法が提唱されているじゃないか、だから私はBという手法を使う。

似たようなトピックを20世紀のフィールドワークで分析しているXYZという分野では、同様の問題をcという手法で分析しているようだ、時代錯誤になるわけではないけれど、この分析手法はCに使えると提唱しよう。

つまり、自分の主張がすでに定まっているとしたら、A+B+Cというsub-claimsをノートに書き出すなどして特定して、その際さらにwarrantとなるaやbやcが何でありえそうかを考えてみるといいのかもしれません。 もちろん、こうしたwarrantのすべてを序論で展開するか、もしくはこうした主張A/B/Cが展開される段落の冒頭にwarrantを投下する、こうした判断は個別にする必要がありそうです。また、明示的にwarrantですよー、という風に旗振りをする必要も必ずしもなく、さらりと触れる程度でも十分な場合もありそうです。17世紀中頃の改革サークルを扱った拙論で社会学者ゴフマンと医療社会学に触れた時はそんなイメージでした。 以上が論文の幅を推敲の過程で広げていく方法の一つかも知れません。定式化してみたのは初めてでしたが、汎用性はありそうでしょうか。ふー、目下の作業でもうまく出来るといいのですが。とにかくエネルギーを使いますね。