— Still thinking. . .

共同研究

  • 2010 – 進行中 Les privilèges économiques en Europe, XVe-XIXe siècles: étude quantitative et comparative, funded by L’Agence Nationale de la Recherche (ANR), France ヨーロッパにおける特許等経済特権のあり方を、i) 仏独伊英の特許データベースを構築し、 ii)4カ国のケーススタディによって実証的比較史的に考察するプロジェクト。当プロジェクトは仏国立研究機構(ANR)から研究費を取得し、2012年1月に正式に発足する。
  • 2010 – 進行中 ‘Bridging History and Social Psychology’ 社会心理学者Vlad Glaveanu(LSE)の協力を得て始めたワークショップ。当プロジェクトの目的は、これまで没交渉的だった歴史学と社会心理学の知的交流を図ることで、「公共圏における表象と言説」の研究を領域横断的に進展させることである。この目的は多くの賛同者を得ており、現在、Glaveanuと学術雑誌Integrative Psychological and Behavioral Scienceの特別号の共同編集を計画している。2010年6月、2011年6月と二度開催したその成果は、Historical Journalに受理された拙稿にも役立てられている。2014年6月にはStereotyping in Early Modern British Public Spheresと題したシンポジウムを開催し、現在は宗教史のピーター・レイク教授と共に編著を準備中である。

研究テーマ

  • 産業革命以前のイギリスにおける企業の社会的責任ヨーロッパにおいて、つまり世界の歴史において最初に「資本主義」と呼ばれる産業の近代化を遂げたのが、17-18世紀のイギリスでした。その歴史を訪ねると、当時のベンチャー企業の殆どが社会貢献を宣伝文句にしていたことが分かってきました。そうした社会貢献の宣伝は、建設的な批判はもちろん、多くの不信や冷笑に晒されていました。事業推進者は、そうした一種の企業不信に応えながら事業を立ち上げ、実行していったのです。つまり、世界初の産業の近代化を支えていた私企業は、その活動の社会的責任について、半ば説明を強いられていた。そんな公共的な商業文化が明るみに出てきました。これが僕が「へぇ~」と思わされた「歴史的発見」でした。この発見は、企業も「社会的責任(CSR)」を果たすべきだ、という昨今の風潮と奇妙にもダブって見えます。現代のCSRを巡っても賛否両論、建設的な意見もあれば、企業のイメージ作りでしかないとの冷やかな視点もあるようです。そして、ともあれ多くの企業がCSRを掲げて社会的貢献をアピールするようになって来ています。イギリスの歴史は、グローバル化した企業文化を舞台にして繰り返されているのでしょうか?話はイギリスの歴史に戻りますが、蔓延する企業不信を目の当たりにした事業推進者は、社会貢献をどのようなPR戦略で打ち出し、不信に応えようとしたのでしょう?またそうした広報活動は、実際の企業活動そのものにも影響を与えていたのでしょうか?僕の論文は、こうした問題に答えを出そうとします。この研究から私たちはどんなレッスンを学びとることが出来るのでしょう?僕が憧れる「スリリングで建設的な視点」をこうした歴史的エピソードから引き出すことは出来ないでしょうか? 先ずは博士論文を完成させることが目下のゴールですが、「なぜ今このテーマなのか」、皆さんの力も借りながら、少しずつ考えていかれたらいいなと思っています。  (2008年6月、再掲載)